2010/09/01
鳥はどうして飛び立たなくなったのか!?
今回は、
あるインドの昔話をご紹介いたします。
ガンジス川に
停泊する船のマストに、一羽の鳥がとまっていた。
ある朝、船は出航して、海にむかった。
マストの上の鳥がはっと我に返ったときには、船は岸を遠く離れ、陸地はどこにも見えなかった。
岸に帰ろうと思って、
鳥は北へむかって飛びたった。
かなり遠くまで飛んでみたが、陸地は見つからなかった。
鳥は疲れはて、どうすればよいか考えたあげく、船に戻って、マストの上にとまった。
十分に休養したあと、
鳥はふたたび飛びたった。今度は東へむかった。
しかし、いくら飛んでも陸地は見つからなかった。
どちらをむいても海が広がっていた。
鳥は疲れはてて船まで戻り、ふたたびマストの上にとまった。
今度は
もっと十分に休息をとってから、南へむかってみた。
そのあとには、西へむかってみた。
しかし、どの方向へ飛んでも、陸地にはたどりつかなかった。
最後に、
鳥は船に戻って、マストの上にとまり、もはやそこを離れなかった。
鳥はそれ以上の努力をすることなく、ただマストの上に坐っていた。
もう落ち着きをなくしたり、心配したりすることもなかった。
鳥は不安と期待を裏切られる絶望感から解放されたがゆえに、それ以上の努力を放棄したのだ。